ゆっくりできない
フリーソフトがどんどん高機能化しているこのご時世。ただ動画を作るだけなら、実のところハードルはとても低い。特に最近俺が手を出した、softalkを使ったいわゆる「ゆっくり実況プレイ」というジャンルで顕著で、必要となるのは何かしらの映像ソースと、それに合わせて的確に台本を配置する根気だけ、という手軽さ。その裾野の広さをもって順調に動画数を増やし、ニコの中でも一大勢力になっている。
その一方で、製作が手軽なジャンルの常として「粗製濫造」という問題を抱えている。上はランキング常連の動画から、下はとても見ていられないような動画まで様々。その差はもちろん題材やネタ自体の面白さからくるものが第一なんだけど、参考にするために(興味の無いジャンルまで含めた)いろいろな動画を見ていて、気づいたことが一つ。
面白い動画群は、総じて編集に手を抜いていない。
それまで見なかったジャンルに手を出す時というのは、何かしらの大きなパワーを持った動画が切っ掛けになることが多い。その時に評価軸をそこで固定してしまうと気づきにくいが、何も考えずに映像にボイスを差し挟むだけでは、動画全体としては貧相になる。面白い動画は、たとえば絶え間ないトーク(?)スキルであったり、ネタの大瀑布が襲いかかってきたり、伏線を張りドラマチックに回収し、きちんと物語として完成しているものであったり、もはや実況ではなくMADムービーと化してしまっているものであったりする。そしてそれを不自然に感じさせないだけの完成度がある。作る側になってはじめて解ったことは、それらを作るためには膨大な手間と、そして創作の地力が必要ということ。
「ゆっくり実況動画」は確かにお手軽なジャンルだけれど、「面白いゆっくり実況動画」は、むしろハードルが猛烈に高い代物だった。遠い道だけれど、まずは自分の動画を、貧相でないもの、というレベルまで引き上げよう。階段を登るように、一歩ずつ。

